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「ジンクピリチオン効果」とは、作家の清水義範氏によって見い出された「言葉の衝撃力が脳に与える影響」を表現する語である。花王メリットシャンプーのCMのキャッチフレーズを覚えているだろうか?そう、「ジンクピリチオン配合!」である。このキャッチフレーズがいかに効果的であったかは、性能の違いが解りにくく競争も激烈なシャンプー業界で、この商品が30年以上トップを競った事からも明らかである。しかし、どうして効果があるのだろう?ジンクピリチオンが何なのか、一般消費者にわかるはずが無いのに。
清水氏の論文には以下のように解説されている。
「ジンクピリチオンが何であるのか、つまり、動物なのか、鉱物なのか、植物なのか。甘いのか酸っぱいのか、硬いのか柔らかいのか、押し出しが強いのか人当たりが良いのか。そういうことを知ったとしてもあなたに何の利益があるだろう。そのようなことを知っていることを、無駄な知識と言うのである。ジンクピリチオン配合。虚心に、この言葉だけに耳を傾けなければならない。そしてそうすれば、あなたは必ずこう思うはずなのである。なんだか、すごそうだ。その心の声こそが、この言葉を聞いた時の正しい反応なのである」
つまり、言葉は、その音感と新奇性に由来する「衝撃力」を持つ場合があり、清水義範氏は、それを「ジンクピリチオン効果」と命名したのである。現在でもいろいろなCMで、この効果は盛んにつかわれている。「タ@リン1000mg配合」「デュ@ムセモリナ100%」などなど。それが何であるのかは解らなくても、いや、逆に解らないほど視聴者は、その商品を「凄そう」と思ってしまう。誠に高度なレトリックである。
さて、我々研究者も、論文や申請書を書くとき、レビューアーに「すごいっと」感じさせたいのは同じである。正確さはもちろんだが、表現力も重要だ。もっと魅力的に書けたらなぁ、とはいつも思うが、我々理系の人間に「名文」など書けるはずが無い。では、レトリックによる論文・申請書のレベルアップは諦めざるを得ないのか?いやいや、そこで「ジンクピリチオン効果」です。爆発性用語の破壊力で、お手軽に論文や申請書を「凄そう」にできるのです。
当日は、現在進行中の研究プロジェクト名のタイトルの中から、ジンクピリチオン濃度の高いものをリストアップし、会場の皆さんと一緒に「ジンクピリチオン大賞」を選び表彰する予定です。学会で疲れた頭を休めに、奮ってご参加いただければ幸いです。
19:50-20:05 趣旨説明
20:05-20:25 ジンクピリチオン大賞ノミネート作品の紹介
20:25-20:50 大賞の選考と表彰式
総合司会: 近藤滋(大阪大学)
進行: 守屋央朗(岡山大学)
審査委員長: 小原雄治(分子生物学会理事長)